「筋トレを頑張りましょう」と言われても、正直ピンとこない。本当の願いは、トイレに一人で行きたい、玄関の段差でつまずきたくない、近所のスーパーまで自分の足で歩きたい——そんな具体的な暮らしのことではないでしょうか。
実は、その「暮らしの願い」こそが機能訓練のいちばん良い目標になります。この記事では、「立つ・歩く・またぐ」という毎日の動作から運動を組み立てる考え方をご紹介します。

「筋力をつける」は手段であって、目的ではありません。「一人でトイレに行ける」「玄関の上がり框を越えられる」という動作の目標に置き換えると、必要な練習が具体的になり、達成できたかどうかも分かりやすくなります。
この3つは、トイレ・食事・外出など、あらゆる生活場面に登場する基本動作です。派手さはありませんが、この3つが安定するだけで「一人でできること」は大きく広がります。
たとえば「立ち上がる」は、足を引く→前かがみになる→膝を伸ばす、という要素に分解できます。うまくいかない要素だけを取り出して練習すれば、効率よく動作全体が改善していきます。専門職はこの分解の視点で身体を見ています。
椅子からの立ち上がりは、太ももとお尻の力、そして重心移動のタイミングが鍵です。高めの椅子から始めて徐々に低くしていくなど、成功できる高さから段階的に練習します。立った姿勢を保つ練習も、ふらつき予防に直結します。
歩く練習は「たくさん歩く」だけではありません。歩幅を保つ、方向転換でふらつかない、休まず歩ける距離を延ばす。目的に応じて練習の中身は変わります。手すりのある安全な環境で、質を高める練習を重ねます。
転倒が起きやすいのは、実は段差の場面です。足を上げてまたぐ動作は、片足で身体を支える力とバランスの複合技。実際の段差を模した練習で、玄関や浴室の出入りに備えます。
「下肢筋力の向上」より「孫の運動会を立って見る」。目標が本人の言葉で書かれていると、練習の意味がいつでも思い出せます。ご家族も一緒に目標を共有すると、日常の声かけが変わります。
一人での自主トレは、不安やサボりぐせとの戦いになりがちです。専門職の見守りがある少人数の環境なら、安全に、その日の体調に合わせて負荷を調整しながら続けられます。
練習で立ち上がりが安定してきたら、家でも「手をつかずに立ってみる」。訓練と暮らしをつなげることで、身体は動作を忘れにくくなります。「練習のための練習」で終わらせないことが大切です。
Q家の中の段差が不安です。運動で改善しますか?
Aまたぐ動作の練習で改善が期待できる一方、手すりの設置など環境の工夫を組み合わせるとより安全です。介護保険の住宅改修制度もありますので、ケアマネジャーにあわせてご相談ください。
Q杖や歩行器を使っていても参加できますか?
A参加できます。今の移動手段を前提に、より安定して歩くための練習を組み立てます。将来的に補助具を減らせるかどうかも、評価をしながら一緒に考えていきます。
Qどのくらいの期間で変化を感じられますか?
A個人差が大きいため一概には言えませんが、まず数週間〜数か月単位で「立ち上がりが楽になった」などの変化を確認しながら進めるのが一般的です。RDCでは定期的に状態を見直し、内容を調整します。
「立つ・歩く・またぐ」——当たり前に見えるこの3つの動作こそ、自分らしい暮らしの土台です。RDCの機能訓練は、お一人おひとりの「続けたい暮らし」から逆算して組み立てます。今の身体の状態を知ることから始めたい方も、まずはお気軽に見学・体験へお越しください。
まずは、見学・体験から。
実際の設備やプログラムの雰囲気を、ぜひご覧ください。ご本人・ご家族はもちろん、ケアマネジャーの皆さまからのお問い合わせもお待ちしています。